Wirsh Coffee Journal · 実践ガイド
エスプレッソマシンの箱にある「15バール」や「20バール」という数値は、コーヒーパックにその圧力がかかるという意味ではありません。ポンプに記された数値と抽出に使われる圧力は、同じものではありません。
ポンプの定格はコーヒーパックにかかる圧力ではない
定格15バールのポンプを使いながら、抽出圧力を約9バールに調整するマシンもあります。これは欠陥ではありません。圧力は、水温、流量、バスケット、粉量、挽き目と並ぶレシピの要素の1つです。箱に記された数値が高いだけでは、エスプレッソの味が良くなるかどうかはわかりません。
たとえばBrevilleは、一部のマシンについて、低圧のプレインフュージョン後に9バールで抽出する15バールポンプを搭載していると説明しています。圧力の制御方法はマシンによって異なるため、ポンプの定格を抽出圧力だと思い込まず、実際の仕様を確認してください。
混同されやすい3つの圧力の数値
| 表示される数値 | 通常の意味 | カップの味を左右する要素 |
|---|---|---|
| 15または20バールのポンプ | ポンプの公称能力または最大能力 | より良い抽出を保証するものではない |
| 約9バールで抽出 | 伝統的なエスプレッソで一般的な目標値 | 目安にはなるが、味を保証するものではない |
| 圧力計の表示値 | マシン内の特定の箇所で測定した値 | メーカーの説明書に従って読み取る |
エスプレッソが酸っぱかったり苦かったりする場合は?
まずポンプの数値が高い機種を探すのはやめましょう。粉量と抽出後の液量を量り、挽き目を確認して、もう一度味わってみてください。実践的な実験の出発点として、コーヒー粉18 gに対してエスプレッソを約36 g抽出し、使う豆に合わせて挽き目と比率を調整します。挽き目のガイドで、その理由を解説しています。
- コーヒーの粉量とバスケットは同じものを使いましょう。
- クレマの量ではなく、重さでエスプレッソの抽出量を記録しましょう。
- 一度に変えるのは1つの条件だけにしましょう。まず挽き目を調整するのが一般的です。
- 流れが均一か確認しましょう。崩れたコーヒーパックは、粉の分配に問題がある可能性もあります。
圧力制御が重要なのはどんなとき?
上級者向けのマシンでは、抽出中にプレインフュージョンや圧力を変えられます。便利な機能ですが、安定した抽出には再現性のある技術も大切です。初心者にとっては、ポンプのバール数をうたう宣伝よりも、温度の安定性、非加圧式バスケット、エスプレッソに適したグラインダー、使いやすい操作系のほうが重要なことがよくあります。